スノーボードでジャンプ:F/S180(トゥ抜き) | スノボーのスー

F/S180(トゥ抜け)

スノーボードでジャンプ台の飛び方(スピン編)。
今回のテーマはトゥ抜けのF/S180(フロントサイド180)です。
反時計回り(グーフィーの場合は時計回り)に180度回ります。

※【ライダーズコンシャス】では、担当ライダーの感覚、意識、気を付けていることなどを解説します。詳くはこちら

<F/S180(トゥ抜け)>

(ライダー:鎌形 智也

準備

スイッチで着地するので、スイッチスタンスで滑り込んでおいてください。
スイッチランの滑走能力が高いほど、メイクしやすいです。

【ベーストリック】
このトリックを覚えるには、以下のトリックをマスターしておく必要があります。
グラトリでのF/S180(トゥ抜け)

基本的な知識、動作についてはグラトリでのF/S180(トゥ抜け)レベル2に詳しい解説をしているので、まだ読んでない人は一度目を通しておいてください。

【出来ると役立つトリック】
以下のトリックをマスターしておくと、このトリックを覚えるのに役立ちます。
<空中に出てから着地までの動きがほとんど同じ>
ジャンプ台でのヒール抜けF/S180
グラトリでのヒール抜けF/S180

また、F/S180(トゥ抜け)と同じようにアプローチしてからトゥ抜けのストレートで飛ぶ(トゥエッジで踏み切ってスピンしないで飛ぶ)ことを練習すると、トゥエッジに乗った状態でリップを上る感覚がつかむのに役立ちます。

やり方

1)イメージする
綺麗にF/S180(トゥ抜け)をするイメージをします。
アプローチから着地までの全体をイメージしてください。
スピンすることだけでなく、ジャンプの滞空時間と、その滞空時間でちょうど良く回り切る回転スピードもイメージしましょう。

180度ピッタリスピンする必要はないので、150度ぐらいスピンするイメージを作ってください。

【ライダーズコンシャス】
スピンするというイメージはほとんど無く、踏み切り直前までストレートで飛ぶのと全く同じイメージを作っています。


2)キッカーに向かって真っすぐアプローチする
アプローチ中はリップの自分が抜けるポイント(抜けようと狙っている場所)を見続けるのが基本です。
目線を固定することで安定したアプローチが出来ます。

キッカーに慣れていて、目線を固定しなくても安定したアプローチができる人であれば、まだリップを直視する必要はありません。
キック方向に目線を向けながらも、雪面の変化を確認しながらアプローチしましょう。

キックに近づいて来たらリップに目線を向けてください。



3)軽くヒールエッジに乗り、リップの左側に進行方向を向ける
グラトリと違って飛ぶ方向が決まっているので、ちゃんとランディング方向に飛ぶように調節して下さい。

右に曲がりながら飛ぶことになるので、一度軽く左に振ってS字を描くようにリップに向かうと良いです。
それでも、ほとんどの人はちょっと右方向に飛ぶので、リップの左寄りから飛びましょう。

<アプローチの取り方>


ここまでのアプローチでリップを見ていなかった場合でも、この辺りでは自分が抜けるポイント(抜けようと狙っている場所)に目線を向けます。



4)トゥエッジに乗り換えながら、オーリーするために低い姿勢になっていく
基本的には、キックのRを上り始める前にはトゥエッジに乗り換えておきます。
これはRの中でエッジを切り換えると不安定になるためです。


トゥエッジに乗るのは軽くです。
慣れないうちは、必要以上にトゥエッジに乗り過ぎてしまいやすいので注意してください。
トゥエッジに乗り過ぎると右に飛んでしまいます。

キッカーでは滞空時間が長いので、F/S180(トゥ抜け)の場合、タメをつくる必要はほとんどありません。

【ライダーズコンシャス】
左足はトゥエッジに乗る必要は無く(フラットで)、右足だけ軽くトゥエッジに乗るイメージです。
右足は、スノーボードを縦に4分割して、トゥ側から数えて2番目あたり(ほぼセンター)に体重をかけています。


なお、上半身はまだ何もしていません。(ストレートと一緒)





5)スピンするための先行動作をしながら、つま先側で軽くオーリーする
スピンするための先行動作として、「左手・左肩を左上方向に開きながら右手・右肩を前上方向に出すようにして」肩を左に回します。

肩を水平に回すように意識してください。
肩が斜めになると回転軸も斜めになってしまいます。

特に頭、右肩が下がりやすいので注意してください。
また、左肘が下がるのも、回転軸が斜めになる原因になります。

上半身の先行動作と同時に、右足のつま先側で軽く踏み切ってオーリーします。
「オーリーの動作(上半身の引き上げと下半身の踏み切り)の動き始めから終わりまで」と、「先行動作の動き始めから終わりまで」が同調するイメージです。

キッカーでトゥ抜けのF/Sスピンをすることに慣れていない間は、自分から前方向に(ランディング方向に)飛ぶようにイメージすると回しやすいです。

慣れて来たら、真上方向もしくは後ろ方向に飛ぶようにイメージしてください。
踏み切りのタイミングがシビアになりますが(ベストタイミングに近い踏み切りが必要となりますが)、より綺麗により高く飛べます。

なお、トゥ抜けのF/S180は踏み切り時の動作が非常に重要です。
踏み切りでミスすると他のスピン以上にリカバリーがしづらいので、踏み切り動作は油断せずに行ってください。

【ライダーズコンシャス】
先行動作では、左手・左肘・左肩を左斜め上に引き上げますが、特に左肘の動きを意識しています。

左肘を左肩よりも高い位置になるように、左上に引き上げると、左肘に引っ張られて頭が下がりづらくなります。
ただし、引き上げる方向を間違えると頭が下がる要因になるので、引っ張られて頭が立つ左肘の位置、動きを地上で試してから行ってください。

また、左半身の先行動作だけで十分回るので、右半身の先行動作はほとんど意識していません。





6)テールのチップの手前がリップを抜けた辺りで踏み切り終わる
トゥ抜けのF/Sスピンの場合、テール側のチップ手前当たりがリップにさしかかったところで踏み切り終わるようにします。

<踏み切り終わるタイミング>


ストレートやヒール抜けのF/Sスピン、B/Sスピンは右足がリップを通過するタイミングで踏み切り終わるイメージで問題有りませんが、トゥ抜けのF/Sスピンの場合はテールがリップを抜ける直前までコントロールするようにしてください。

慣れない内は上半身の引き上げを大きく使って下半身の踏み切りはあまり使わないように抜けるイメージで、慣れてきたら、下半身で踏み切る動作も使うように変えていくとスムーズに身に付きやすいです。

自分から前に(ランディング方向に)飛ぶように抜ける場合は少し早めでも大丈夫ですが、早くなり過ぎたりノーリーになってしまうことがあるので注意してください。

踏み切るタイミングが早いと、リップで逆エッジに引っかかり易くなります。

踏み切りが早くてリップに逆エッジが引っかかった場合は、非常に危険な状態になるので焦って早く踏み切らないように、しっかりタイミングを見計らって下さい。

また、踏み切りのタイミングが良いほど軽い力で回れるので、ギリギリまで待って踏み切るようにしましょう。

踏み切り終わる瞬間まではリップを見たままです。
目線がリップから外れるのが早いと、踏み切るタイミングが早くなってしまう原因になります。


リップでの肩の開きは、飛ぶ方向に対して70〜80度ぐらいを目安にしてみてください。
(大きなキッカーで飛ぶときや、回転力をつける技術のレベルが上がれば、肩を開く角度は少なくなるので、あくまでも自分なりの感覚が分かるまでの目安にして下さい。)

【ライダーズコンシャス】
スノーボードを縦に4分割して、トゥ側から数えて2番目あたり(ほぼセンター)のテール側のチップ手前当たりで踏み切るようにイメージしています。





7)リップを抜けたら目線を着地点へ向け、膝を軽く引き上げる
膝を引き上げるときは、腹筋を使って太ももをおなかに近づけるように引き上げます。
足を引き上げようとすると、後ろに(かかとがお尻に近づくように)上がってしまいやすいので注意してください。

オーリーが上手くかからなかった場合は前方向に、上手くかかれば上方向に飛ぶ感じになります。
踏み切りのタイミングとオーリーが良いと、瞬間的に強くスノーボードが反発してきます。

膝が引き上がってくると、スノーボードの回転が上半身の回転に追いついて来ます。

目線は着地点に向けます。




8)上半身の回転にスノーボードの回転が追いついたら、身体を固定し、回転に身を任せて回っていく
この間、回りながら、着地点までの距離を確認しておきます。




9)90度ぐらい回ったら先行動作を止め、ランディングにスノーボードを合わせていく
着地するタイミングに合わせて「右手・右肩を後ろに引きながら左手・左肩を前に押し出して」上半身を右に回し、「左足を曲げるようにして後ろに引きながら右足を伸ばしながら前に出して」下半身を左に回し、スノーボードの向きを着地に合わせます。

四肢を動かす余裕が無い人は、右手・右肩を後ろに引きながら右足を前に出して上半身と下半身をひねり、スノーボードの向きを着地に合わせてください。

重心の位置が少し後ろ(真ん中よりもちょっと左足寄り)で着地するようにします。
(この時点から急に重心を後ろにしようとしても出来ないので、初めからちょっと後ろ重心で着地するように狙って飛んでください。)

そして、進行方向に対して骨盤を開いて(スイッチスタンスの基本姿勢と同じようにして)、右足を伸ばし気味に、左足を曲げた姿勢にしていきます。
骨盤の向きが後ろを向きやすいので、注意してください。






10)上半身と下半身がねじれた姿勢で着地
足りない30度分、体をひねってスノーボードの向きを合わせているので、進行方向に対して上半身が右に開きます。
(写真では十分回り切っているため、ほとんどひねりを使わずに着地しているので、上半身が開いていません)

着地時の衝撃は膝で吸収してください。

基本的には、フラット(どちらのエッジにも乗らない)か、ほんのちょっとトゥエッジに乗って着地します。

【ライダーズコンシャス】
着地の衝撃は、膝だけでなく骨盤を落とし込むことも意識して吸収しています。




11)回転力を抑えながら、身体のねじれを戻して姿勢を正していく
着地直後は回転力が残っているので、もっと回ろうとする力が働きます。
なので、スノーボードでしっかり雪面を捉えて、それ以上回らないように回転力を抑えてください。

合わせて、身体のねじれを戻して姿勢を正していきます。
体のひねりがもとに戻るまでは転びやすいので、油断しないで滑りましょう。




解説
抜け時点の目線について
5)の時点で、踏み切り終わりの瞬間までリップを見続けるように説明しています。

しかし、ゴーグルが邪魔になって(ゴーグルの死角になって)抜ける瞬間が見えなくなることがあります。
(抜けの姿勢や、ゴーグルのかけ方にもよります。)

ですが、トリックに慣れないうちは早い段階でリップから目線が外れやすいので、抜けの瞬間までリップを見る意識を持つぐらいがちょうど良いです。
ゴーグルの死角になって見えなくなると言っても、抜けの直前のほんの一瞬ですから。

なお、死角になるからといって、ゴーグルの死角にならないように頭を動かしてリップを見に行くとバランスを崩す可能性があるので、無理に見に行く必要はありません。
死角になる場合は感覚で(タイミングを計って)、テールがリップを抜ける瞬間に合わせて踏み切り終わるようにしてください。


着地時の動作について
F/S180(トゥ抜け)で完成度の高い着地をマスターするのは意外と難しいのです。
そのため、グラトリでF/S180(トゥ抜け)をするときも油断せずに完璧な着地をするように意識して練習しておくと、着地の安定度が上がり、将来的にはSWB/S360やF/S540(着地の仕方がF/S180と一緒)のメイク率も上がっていきます。

なお、着地時の動作についてスピンの着地により詳しく解説しているので合わせて参照してください。









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