スノーボードでジャンプ:フリーランの重要性 | スノボーのスー

フリーランの重要性

スノーボードでジャンプ台の飛び方(理論、知識編)。
ここではトリックとフリーランの関係について説明します。

(なお、ここで言うトリックとは、グラトリ、キッカー、ジブなどスノーボードのトリック全般のことです。)

トリックをメイクするには、フリーランの技術力が大きく影響します。
忘れがちですが、かなり重要なポイントです。

フリーランが苦手でも、がんばって練習すればトリックができるようになると思っている人もいると思いますが、結構無茶な話だと思います。

少なくとも、完成度の高いトリックをメイクするのは無理です。

練習中のトリックがメイクできないのは、フリーランの技術力が足りないのが原因かもしれません。

そこで、フリーランの重要性を理解してもらうために、フリーランの技術力がトリックの完成度やメイク率に与える影響について説明します。

「トリックをメイクするのにフリーランが重要なことはわかってるよ!」って人は、飛ばしちゃってください。


フリーランの定義

レベルによってフリーランに含まれる範囲は違いますが、ここでは「ただ滑ること」をフリーランとします。

(ちなみに、フリーラン(Freerun)とはフリーライディング(Freeriding)のことです。「自由に滑る」って意味ですが、フリーライディングを略してもフリーランにならないですし、Freeridingを略してもFreerunにはならないので、略なのかどうなのかはちょっとわかりません。)

「ただ滑ること」の技術力って「どれだけ綺麗に滑れるか。ってこと?」って思うかもしれませんが、ちょっと違います。

もちろん綺麗に滑れた方が、綺麗に滑れないよりレベルが高いのですが、それだけではありません。

例えば、

・荒れたバーンでも安定して滑れるか?
・様々な地形に対応して滑れるか?
・どれくらいのバランスの崩れなら立て直せるか?

などなどのことで、

安定して滑れるシチュエーション(地形や雪面状況)の幅と、バランスが崩れた時にリカバリーできる幅がどれだけ広いか?

ってことです。

「アプローチ」への影響

さて。
ここからフリーランの技術力がトリックに与える影響を説明して行きます。

まず、アプローチへの影響についてです。

フリーランの技術力が低いと、アプローチの雪面状況に影響されやすいので、トリックをする前にバランスを崩す可能性が高くなります。

フリーランの技術力が高い人には気にならないような、ちょっとしたゆがみやギャップを通るだけで安定感が無くなっている人も多いです。

フリーランの技術力が高ければ、アプローチの状況が悪くても安定した姿勢のまま「抜け」へとつなげられます。


「抜け」への影響

次に、抜けへの影響についてです。

フリーランの技術力が低い場合、アプローチでバランスを崩した時はもちろん、バランスを崩していないとしても安定しているわけではないので、安定した姿勢でリップを抜けることができません。
(グラトリの場合は、踏み切る瞬間の姿勢が不安定ということです。)

なので、トリックを失敗する可能性が高くなります。

しかも、それだけではありません。

リップを抜けるときの姿勢が安定していないので、踏み切りがしっかり出来ず、高さがでなくなったり、最悪ランディングまで届かない可能性もあります。

スピントリックの場合は先行動作もしっかり出来なくなるので、回転力がつきづらくなります。
高さもなく(ということは滞空時間が短く)回転力もつきづらいので、回りきることはかなり難しくなるのです。

また、着地後のフリーランにも自信がないため、それが抜けの完成度に影響してしまいます。
ちょっとぐらいミスっても立てると思って踏み切るのと、完璧にやらないと転ぶと思って踏み切るのとでは、トリックをやるときの冷静さが全然違うので、ミスする可能性に大きな差が出ます。

ではフリーランの技術力が高いとどうなるかというと、

・安定した姿勢でリップが抜けやすくなり
・先行動作や踏み切りがしっかり出来やすくなり
・着地への不安も無いのでリラックスして抜けやすく

なります。

単純に技術力が低い場合の逆になるわけですね。


「着地」への影響

そして、着地への影響についてです。

フリーランの技術力が低いと、着地時にちょっとバランスを崩しただけで転んでしまったりします。

例えば、完全にメイクしたと思える姿勢で着地したのにもかかわらず、転んでしまう人が結構います。

これは、フリーランの技術力が全く足りてないレベルです。
(油断してたり、ギャップに引っかかったりした場合は別です。)

逆に、かなりバランスを崩した状態で着地したのに、しっかりメイクする人もいます。

これはフリーランの技術力が高く、多少のバランスの崩れはリカバリーすれば立てるレベルなわけです。

このことからもわかるように、

・フリーランの技術力が低い人ほど、完璧な姿勢で着地しないとメイクできなくて
(トリックの完成度が高くないとメイクできない)

・フリーランの技術力が高い人ほど、バランスを崩した姿勢でもメイクできる
(トリックの完成度が低くてもメイクできる)

んです。

その上、フリーランの技術力が低い人ほど、完成度の高い抜けをすることが難しい(ということは完成度の高いトリックをやるのが難しい)のですから、フリーランの技術力が低い状態でトリックをメイクすることがどれだけハードルが高いことなのかわかると思います。


スイッチランの影響

スイッチラン(スイッチでのフリーラン)の技術力も、メインスタンスのフリーランと同様にトリックの完成度に大きく影響します。

トリックのアプローチ時のスタンスと着地時のスタンスは以下の4種類しかありません。

1)アプローチ:メインスタンス → 着地:メインスタンス
2)アプローチ:メインスタンス → 着地:スイッチスタンス
3)アプローチ:スイッチスタンス → 着地:メインスタンス
4)アプローチ:スイッチスタンス → 着地:スイッチスタンス

当たり前のことですが、全トリックの3/4のトリックがスイッチランの技術力の影響をうけるんです。

そのため、スイッチランの技術力もちゃんと上げておく必要があります。

しかし、スイッチランは意識して練習しないと、実力不足になりやすいんです。
というのも、スイッチランはやらなくてもスノーボードはできるので(メンンスタンスで滑ればいいので)、意識して練習しないとまったく上達しなかったりします。

抜けから着地直前までは良かったのに、スイッチで着地した直後に転んだ。なんてことが起こるのはスイッチランの技術力が低いのが原因です。


トリックに必要なフリーランの技術力

では、フリーランの技術力がどれくらいのレベルであればトリックの練習を始めてもよいのか?

一概には言えませんが、「普通に滑るだけなら転ぶことはない」レベルは最低限必要です。

滑っているだけで転んでしまうようなレベルでは、トリックをメイクすることが奇跡的です。(笑)

それ以上のレベルは、一般論としてはなんとも言えないですしチャレンジするアイテムやトリックによっても全然違うので、「トリックをメイクするにはフリーランの技術力も重要!」ってことを頭に入れて自分で判断してください。
(まわりに上級者がいたら、実際に見てもらって判断してもらっても良いかもしれません。)

ある程度のフリーランの技術力を身に付けた後ならトリックの練習をすること自体がフリーランの練習にもなるので、やりたいトリックの練習に偏らずに、色々なトリックにチャレンジしながらフリーランの練習もしたりという感じに、バランスよく練習して行くことが上達への近道だと思います。









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