スノーボードでジャンプ:スピンの着地4|スノボーのスー

スピントリックの着地のやり方(その4)

スノーボードでジャンプ台の飛び方(理論、知識編)。
ここではスピントリック(フラットスピン)の着地のやり方を詳しく説明していきます。

(その4)となっていますが、このページから読み始めても大丈夫です。

なお、レギュラー向きの説明になっているので、グーフィーの人は左右を読み替えてください。


11.着地時の身体のひねりの意味

スピントリックの着地では身体をひねってスノーボードの向きを着地に合わせます。

ただし、身体をひねるのは着地に合わせることだけが目的でありません。
着地後のスピンを吸収し、着地後に残っている回転力を抑える時間を作る意味もあります。

このことをグラトリのF/S180(ヒール抜け)を例にとって説明していきます。


1)着地時の動作
F/S180の場合、上半身を右に(時計回りに)、下半身を左に(反時計回りに)回し、身体をひねって着地に合わせます。

そして、着地後に身体のひねりを戻し、スイッチスタンスの基本姿勢にしていきながら、残っている回転力を抑えていきます。

<ひねる前→ひねって着地→スイッチの基本姿勢(写真1)>




身体をひねって着地する場合は、180度ピッタリ回ってるわけではありません。
180度より少なめにスピンして、足りない分を身体のひねりで合わせています。

例えば、「150度スピンして、足りない30度分は身体をひねることでスノーボードの向きを着地に合わせる。」という具合です。


2)着地後もスピンしている
着地直後は回転力が残っています。

そのため、着地後も回って行こうとする。というより、回っちゃいます。
着地と同時に回転力をゼロにすることは出来ないんです。

画像(写真1)で見ると身体のひねりを戻しているだけのように見えますが、実際には着地後もスピンしているんです。

着地後は左に(反時計回りに)スピンしていきますが、スノーボードが回ってしまうわけにはいきません。
(着地後にスノーボードが回っちゃったら格好悪いですし、そもそも失敗です。)

そのため、身体をひねってスノーボードの向きだけは進行方向に保つようにします。

スノーボードの向きを進行方向に向けたままにするためには、上半身を左に(反時計回りに)回して身体をひねっていきます。

<体はスピンしているがスノーボードの向きは保つ>


この「上半身を左にまわす動作」は「着地前にスノーボードの向きを合わせるためにひねった向きと、逆方向にひねる動作」と同じです。

そして「着地前にスノーボードの向きを合わせるためにひねった向きと、逆方向にひねる動作」は「着地時の身体のひねりを戻して行く動き」と同じなんです。

着地後にスピンしている間、「スノーボードの向きを保つ動作」と「身体のひねりを戻す動作」を同時に行っているのですが、両方とも同じ方向への動きなので、ひねりを戻しているだけのように見えてるわけです。

なお、回転スピードが速いトリックほど、着地後の回転力が強く残ります。

なので、

同じ回転数なら、滞空時間が短い方が(例えば、キッカーよりもグラトリの方が)強い回転力が残りやすく、

同じ滞空時間なら、回転数が多い方が(例えば、180よりも360の方が)強い回転力が残りやすい

です。

3)着地後にスピンできる許容量
2)で着地後にもスピンすることは説明しました。

そこで、着地時にスピンが足りない分(例では30度分)が役立ちます。

もともと30度足りないので、着地後に30度回ってしまっても大丈夫です。
スピンが足りない分(30度分)が、着地後に回ってもいい許容量になってるんですね。

着地後に残っている回転力は、この許容量(30度)を回っている間に抑えます。
もっと具体的に言うと、スノーボードの向きを進行方向に保てている間に、雪面をしっかりグリップして回転力を抑えていきます。

スノーボードが雪面に触れていないと回転力を抑えることは出来ないので、着地してから身体のひねりを戻すまで(スイッチスタンスの基本姿勢になるまで)の時間が、回転力を抑える制限時間です。

(実際にはちょっとの回り過ぎなら何の問題も無いのですが、ここでは理論上の話として「回り過ぎがまったく無い着地」を目指すことを説明のベースとしています。)

そのため、

スピンが足りない分が多いほど、回転力を抑える時間を長く取れるので回転力を抑えやすく、

スピンが足りない分が少ないほど、回転力を抑える時間が短くなるので回転力を抑えるのが難しく(回り過ぎやすく)

なります。

もし、180度ピッタリ回って着地した場合は、着地後にスピンできる許容量が無いので、回転力を抑える時間がありません。
そのため、着地後に180度以上回ってしまいます。

このような理由から、着地までに回る量を少なめにして身体のひねりを使って着地することが、着地後に回り過ぎてしまわないための一つのポイントになるんです。

ただし、必要以上に許容量を多くするのは(スピンが足りな過ぎるのは)かっこ悪いので、着地後に残る回転力の強さを計算して、身体をひねって合わせる量を調節してください。

通常は、回転力が弱いトリックは少ないひねりで着地に合わせ、回転力が強いトリックは多くひねって着地にあわせることを狙って、トリックに挑むことになります。


参考
誤解の無いように念のため説明しておくと、少しでも回り過ぎるとミスだと言う訳ではありません。

スノーボードがズレたりバランスを崩したりしないように、身体のひねりやスノーボードのコントロールで対応できる範囲の回り過ぎなら問題ありません。

対応できないほど回り過ぎてしまった場合がミスと言えるでしょう。

回転が少し足りない状態も同様で、身体のひねりやスノーボードのコントロールで対応できる範囲であれば問題ありません。

そもそも、狙い通りピッタリスピンするのは至難の業なので、着地前だけでなく着地後も身体のひねったりスノーボードをコントロールすることで対応するのが普通です。


12.対応しやすい回転量の違い

着地後のスピンも含めた回転量に対して対応しやすい状況と対応しづらい状況は、オープン着地か、ブラインド着地かによって変わります。

結論から言うと、

オープン着地の場合、回り過ぎに対して対応しやすくて、足りない状態に対応しづらく

ブラインド着地の場合は、足りない状態に対して対応しやすくて、回り過ぎに対して対応しづらい

です。
(重ねて言いますが、着地後のスピンも合わせた回転量の話ですよ。着地前の回転量は少し足りなくした方が良いのはこれまで説明した通りです。)


着地時の姿勢による影響
このような違いがあるのは、着地時の姿勢による影響が大きいです。

以下にそれぞれの着地に対して、着地時の姿勢が与える影響を説明して行きます。


1)オープン着地への影響
初めにオープン着地への影響です。
F/S180を例にして説明します。

a)回転量がピッタリの場合
回転量がピッタリの場合、着地後の姿勢はスイッチスタンスの基本姿勢です。

b)回転量が少ない(足りない)場合
回転量が足りない場合は、上半身を右方向に回してスノーボードの向きを進行方向に保ちます。

スイッチスタンスの基本姿勢から、スノーボードの向きを保ったまま上半身を右方向に回せる幅は少ないので、スピンが足りない場合に対応できる量も少ないです。

c)回転量が多い(回り過ぎの)場合
スピンが多い場合(回り過ぎの場合)は、上半身を左方向に回してスノーボードの向きを保ちます。

スイッチスタンスの基本姿勢から、スノーボードの向きを保ったまま上半身を左方向に回せる幅は多いので、回りすぎた場合に対応できる量は結構多いです。


2)ブラインド着地への影響
次にブラインド着地への影響です。
B/S180を例にして説明します。

a)回転量がピッタリの場合
回転量がピッタリの場合、着地後の姿勢はスイッチスタンスの基本姿勢なのはF/S180と同様です。

b)回転量が少ない(足りない)場合
スピンが足りない場合は、上半身を左方向に回してスノーボードの向きを進行方向に保ちます。

スイッチスタンスの基本姿勢から、スノーボードの向きを保ったまま上半身を左方向に回せる幅は多いので、スピンが足りない場合に対応できる量は結構多いです。

c)回転量が多い(回り過ぎの)場合
スピンが多い場合(回り過ぎの場合)は、上半身を右方向に回してスノーボードの向きを保ちます。

スイッチスタンスの基本姿勢から、スノーボードの向きを保ったまま上半身を右方向に回せる幅は少ないので、回りすぎた場合に対応できる量が少ないです。


着地の特性に合わせてトリックに挑む
完璧な回転量を狙っても、多少ズレる(ちょっと回りすぎたり、ちょっと足りなかったりする)ので、初めからズレることを見越してトリックに挑むことが安定した着地につながります。

オープン着地は、回り過ぎに対して強く、足りない状態に対して弱いのですから、「足りなくなり過ぎないように気をつけて」又は「多少回り過ぎを狙って」トリックに挑むことで、メイク率を向上させることが出来ます。

ブラインド着地は、足りない状態に対して強く、回り過ぎに対して弱いのですから、「回り過ぎないように気をつけて」又は「多少足りない状態を狙って」トリックに挑むことで、メイク率を向上させることが出来ます。

(あくまでも、着地後のスピンも含めた回転量の話です。着地までの回転量の話ではないので注意してください。)









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