スノーボードでジャンプ:踏み切りのタイミング| スノボーのスー

踏み切りのタイミング

スノーボードでジャンプ台の飛び方(理論、知識編)。
今回のテーマは踏み切りのタイミングです。

キッカーの踏み切り時に狙うタイミング(ベストタイミング)は、主に2種類あります。

ここでは、この2つの違いについて説明します。

どちらも一長一短がありスタイルにも影響するので、好みの方を選んでもらえれば良いと思います。

なお、スノーボードの反発の仕方がそれぞれ違うので、慣れていないやり方を大きなキッカーで試すのはリスクが高いです。
まずは小さめのキッカーで感覚をつかんでください。

※当サイトのハウツーでは、より簡単で汎用性の高い『1)』の踏み切り方を基本として解説しています。
ただし、トリックによっては有効な方を指定している場合があります。


1)「後ろ足がリップを抜ける瞬間」にタイミングを合わせる場合

一つ目が、後ろ足がリップを通過する瞬間に踏み切り終わるようにするやり方です。

<踏み切り終わるタイミング>


これは「初めてのジャンプ」でも紹介しているタイミングです。

まず、基本的な知識から整理します。

キッカーで踏み切るタイミングは遅ければ遅いほど良いです。
(飛び過ぎないように抑えるなど、特殊な状況は別です。)

これは、踏み切るタイミングが遅いほど「より遠くへ」「より高く」飛べ、リップにスノーボードが引っ掛かるなどの「ミスが発生しづらくなる」ためです。

そこで、このやり方では後ろ足で雪面を押せる(蹴れる)ギリギリのタイミングにリップを蹴ることを狙っています。なお、その後のスノーボードの挙動(反発のタイミング)は重視していません。

オーリーを例にすると、下の写真の瞬間に後ろ足の裏がリップを通過することを狙っています。


後ろ足の小指の内側辺りがリップに差し掛かったときに踏み切り終わるのが、ベストタイミングです。

<ベストタイミング>


このタイミングよりも遅くなると、後ろ足で直接的に雪面を蹴ることができなくなり、バランスを崩しやすくなります。

<ベストタイミングより遅くなると蹴れない>


ベストタイミングよりも早く踏み切ると、高さが低くなったり、リップに引っ掛かりやすくなります。


『2)』と比較した場合のメリット
簡単
小さな動作(短時間の動作)でしっかり蹴ることができ、自分の足でタイミングを調整するのでタイミングを合わせるのが簡単です。
そのため、踏み切り始めるタイミングが悪くても、踏み切り終わる瞬間に微調整してリカバリーすることが容易です。

なお、プロスノーボーダーでもこのタイミングで踏み切っている人もいるので、初級者向けという訳ではありません。
管理人もこのタイミングで飛ぶことがほとんどです。


汎用性が高い
いろいろな状況、いろいろな踏み切り方で使えるので、ほとんどの場合はこのタイミングで踏み切れば大丈夫です。


『2)』と比較した場合のデメリット
思いっきりオーリーする場合は合わない
思いっきりオーリーをかけようとするとスノーボードが反発する前にリップを抜けてしまうことがあります。

これは強くオーリーをかけようすると、後ろ足が浮き始めてからスノーボードが反発するまでに時間がかかるためです。

こうなってしまった場合、バランス良く飛ぶことはできません。


リップに引っ掛かりそうなイメージが大きい
踏み切り終わりからテールが完全にリップを抜けるまで時間がかかるので、テールがリップに引っ掛かるようなイメージが沸きやすいです。

ただし、あくまでも『2)』と比べた場合の話です。正確な動作で飛べば引っ掛かることはありません。


高さの限界値が低い
基本的に、『2)』のタイミングより少し早く離陸することになります。
また、思いっきりオーリーすることができません。
そのため、理論上の高さの限界値が低いと言えます。

しかし、上手く踏み切れば『2)』に遜色がない高さで飛べます。
実際に高さの差があった場合、『1)』か『2)』かの違いではなく、完成度の違いが原因であることがほとんどです。

特別に高さにこだわりがある人を除いて、基本的にはあまり気にする要素ではないと思います。


2)「テールのチップ手前がリップを抜ける瞬間」にタイミングを合わせる場合

二つ目が、テールのチップ手前がリップを通過する瞬間に踏み切り終わるようにするやり方です。

<踏み切り終わるタイミング>


1)で説明した通り、踏み切るタイミングは遅いほど良いです。

そこで、このやり方ではスノーボードを使って雪面を押せる(蹴れる)ギリギリのタイミングにリップを蹴ることを狙って、スノーボードが雪面を離れる直前(スノーボードが反発するタイミング)までコントロールしています。

なお、後ろ足がリップを通過するタイミングは気にしません。

オーリーを例にすると、この写真の瞬間にテールのチップ手前がリップを通過することを狙っています。


文章そのままですが、テールのチップ手前辺りがリップに差し掛かったときに踏み切り終わるのがベストタイミングです。

<ベストタイミング>


このタイミングよりも遅くなると、踏み切ることができなくなり、バランスを崩しやすくなります。

<ベストタイミングより遅くなると蹴れない>


逆に、ベストタイミングより早過ぎると、高さが低くなったり、リップに引っ掛かかる原因になります。

難度は高いですが、上手くできるとメリットのあるやり方です。

なお、オーリーをかけてこのタイミングで踏み切るためには、上半身をしっかり引き上げることが必要です。

(オーリーをかけずに(スノーボードを反発させずに)リップを抜けるスタイルの場合は別です。)

上半身の引き上げが足りない状態で踏み切ろうとすると、後ろ足を下方向に伸ばすことになります。
その結果、後ろ足で空中に向けて蹴ることになり、ちゃんと踏み切れません。

<上半身の引き上げが足りないと、空中を蹴ることに>


しかし、上半身の引き上げがしっかり出来ていれば、後ろ足での踏み切り動作の影響が小さくなるので、踏み切りのタイミングが多少違っていても、大きなミスには繋がりづらいです。

なお、上半身の引き上げ量と下半身の踏み切り動作の関係は、「上半身の引き上げ」を参考にしてください。


『1)』と比較した場合のメリット
高さの限界値が高い
『1)』よりも高い位置で、より強いオーリーで踏み切ることができるので、理論上の高さの限界はこちらの方が上です。
ただし、ミスすれば、『1)』のやり方で上手く飛んだ場合よりも低くなります。


リップに引っ掛かりそうなイメージが少ない
踏み切りが終わった時点でテール全体がリップからほとんど抜けているので、テールがリップに引っ掛かるようなイメージはほとんど発生しません。
特にスピンをするときに大きな差を感じます。


理論上、クオリティが高いと言える
テールのチップ手前がリップを通過するタイミングに合わせる=これ以上ないギリギリのタイミングで踏み切っています。
また、スノーボードが雪面から離れる直前までコントロールという意味でも、後ろ足の動きを主体にコントロールする『1)』よりも高クオリティと言えます。

ただし、スタイルも変わってくるので、こちらの方が上とは一概には言えないと思います。


『1)』と比較した場合のデメリット
難しい
『1)』では足でタイミングを合わせますが、『2)』ではスノーボードでタイミングを合わせます。
その上、オーリーをかけるには上半身を大きく使う必要があるため、踏み切り動作に時間がかかります。
そのため、タイミングを合わせるのが難しいです。

大きく動くと言うことはバランスを崩す要因も大きくなるので、それも難度が高くなる原因です。

また、ジャンプに慣れていない人がこのタイミングだけを意識して踏み切ると、バランスを崩す可能性が高いので注意してください。
(『1)』のやり方でタイミングが遅い状態と同じ状態になりやすいです。)


汎用性が低い
このタイミングに適した踏み切り動作をする必要があるので、『1)』に比べ、使える状況や、対応できる踏み切り方が少ないです。
軽くオーリーしたり、踏み切り終わるタイミングを瞬間的に微調整するには不向きです。

また、適した踏み切り動作になるようオーリーのやり方をコントロールする必要があるため、オーリーが不得意の人には合わない可能性があります。

ただし、『2)』のやり方を正確にできるレベルになれば対応力も高くなっているはずなので、「『2)』のやり方しか出来なくて困る。」といった状況になることは少ないと思います。


スタイルの違い

スタイル自体の違いは見たままですので、スタイルを作る上での違いを説明します。

オーリーをかけない場合(スノーボードを反発させない場合)は、『1)』と『2)』に大きな違いはありません。

大きな違いが出るのはオーリーをかけた場合です。


『1)』の場合、踏み切り終わった時点で、体があまり伸びていません。
また、ノーズがあまり上がっていない状態で反発してきます。

そのため、短時間でスノーボードを引き上げてフラットにすることができるので、早い段階でグラブしたりスタイルを作るのに有利です。
ただし、ノーズが上がってこないので、ノーズグラブには不利です。

また、コンパクトで自然な動きのスタイルで、瞬間的にドンッと打ち上がるような見た目になりやすいです。


『2)』の場合、踏み切り終わった時点で、体がかなり伸びています。
また、ノーズが高く上がっている状態から反発してきます。

そのため、スノーボードを引き上げてフラットにするのに時間がかかるので、グラブしたりスタイルを作るのタイミングが遅くなりやすいです。
テールグラブには特に時間がかかります。

ただし、ノーズグラブには有利です。
また、ダイナミックな動きのあるスタイルで、スムーズに打ち上がるような見た目になりやすいです。


※なお、ここで紹介した違いは一般論であり、人それぞれの癖や踏み切り動作の違いによっても異なります。









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